教育長からのごあいさつ
近年、人口減少、少子高齢化、テクノロジーの進展による社会構造の変化に加え、新型コロナウイルス感染症により、私たちの生活、学び、仕事は一変しました。また、世界に目を向ければ、グローバル化の進展や地球規模の課題の顕在化に加え、国際情勢の不安定化が進み、まさにこれからの時代の社会が予測困難で多様性に富んだ時代になることが見込まれる状況となっています。
子供たちが将来活躍する舞台となる未来では、より複雑で変化の激しい、誰にも想像のつかない時代になると言われています。子供たちがそのような時代を切りひらいていくためには、子供たち自身が自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、判断して行動し、どんな変化にも柔軟に対応ができ、それぞれが思い描く幸せを実現するための力を身につける必要があると考えています。
このような中、つくば市では、令和2年(2020年)3月に市長が中心となり、つくば市の教育の根幹となる「つくば市教育大綱」を策定しました。教育大綱では、「一人ひとりが幸せな人生を送ること」を最上位の目標としており、一人ひとりの違いが受容され、多様で豊かな個性が発揮される環境のもと、一人ひとりが自己実現できるようにすることを目指し、
「教え」から「学び」へ
「管理」から「自己決定」へ
「認知能力偏重」から「非認知能力の再認識」へ
と教育の考え方の転換を示しています。この理念に基づき、令和3年(2021年)3月には、「夢に向かってよりよい未来をひらく『学び』の実現」を基本理念とした、「第3期つくば市教育振興基本計画」を策定しました。
つくば市では「みんなが幸せを実感できる学園・学校・幼稚園づくり」を目指し、問いから始める学びを意識した授業や、ICT機器を活かした学校と学校外での学びが切れ目なく繋がるシームレスな学びの実現、社会に開かれた教育課程の実現のためのコミュニティ・スクール導入事業、より個別最適な場を提供するための部活動の地域移行事業、教職員を補助する人材の拡充による教職員の働き方改革、誰一人取り残すことがないような不登校児童生徒支援の拡充事業など、ソフト面の充実に加え、(仮称)中根・金田台地区小学校建設事業や、(仮称)新桜学校給食センター建設事業、平沢官衙遺跡再整備事業など、学びを支えるハード面の充実等、あらゆる教育施策を推進しています。
今後も本市の教育振興のために引き続き様々な教育施策を通して一人ひとりが幸せな人生を送ることができる社会の実現を目指した取り組みを進めてまいります。皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
令和6年3月
つくば市教育委員会教育長 森田 充